名前

 日下爽太(くさかそうた)

今度は僕が、亜梨明にとっての直希や先生になるんだ……!

キャッチフレーズ

いつも心に強き想いを

名言

今度は僕が、亜梨明にとっての直希や先生になるんだ……!

紹介文

夏城町から二駅離れた、冬丘街出身の少年。 亜梨明と同じ病を持って生まれたが、九歳の時に大手術を乗り越えた。 聡明で心優しく、容姿にも恵まれているため、女子生徒からの人気が高いが、爽太本人は恋愛に関して恐ろしいほど鈍感で、よく周囲を呆れさせている。 亜梨明に過去の自分を重ねて見ており、役に立ちたい気持ちから、彼女のサポートを申し出る。

レーダーチャート
項目名 ポイント

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パーソナルデータ

性別:男

誕生日:5月13日

血液型:B型

クラス:一年一組→二年一組

二年生では風麻や亜梨明達と分かれて、星華と共に一組所属となった。 担任は去年と同じく波多野先生。 今年も学級委員長を務めている。

部活:バレーボール部

ポジションはブロックと素早い攻撃を求められるミドルブロッカー。 部活見学の際、バレー部顧問の竹田先生に背の高さを気に入られスカウトされた。 バレーは初心者だが、相手の攻撃パターンを瞬時に判断するのが得意で、ミドルブロッカーに向いていると、先輩にも高評価されている。 二年の夏の大会後は、風麻の補佐役として副キャプテンに任命された。

家族構成:父、母、妹

日下晴太郎、唯夫妻の長男として生まれる。 五歳年下の妹、ひなたがいる。

外見的特徴

身長:163cm(一年)172cm(二年)

平均身長より約7cm程大きい爽太。 病気を患っていた頃は、食事制限などで栄養をあまり摂取できなかったため、とても小さかったのだが、完治させてからはいろんなものが食べれるようになり、去年からぐんぐん成長している様子。 ただし、それでも食が細いので、油断すると栄養を全部背に持って行かれてしまい、体重が増えずに痩せてしまうタイプ。 2年の測定でも大きく成長している。 父親の晴太郎が190cm近くあるため、彼も同じくらい伸びる可能性が高い。

BMI:16(一年)17(二年)

周囲と比べて、華奢な体型の自分を貧弱そうだと思っていたため、更に積極的に食事を摂ることを意識し、去年より体重増加に成功した。 …が、まだそれでも痩せ型な上に、父親譲りの太りにくい体質なため、なかなか厳しい…。

内面的特徴

一人称:僕

親友の直希に影響され、『俺』にしようとしたこともあったが、家に帰って母の前で『俺』にした途端、何故かものすごく反対されたのを理由に『僕』のままでいる。 母がその際口にした、「ボクっ子」という言葉が気になっている。

趣味:読書 (医学書)

医者を目指しているため、医療関係の本を読むのが好き。 また、自分の手術を執刀した高城元気医師を非常に尊敬しており、彼のインタビュー雑誌などは、全て大切に保管している。 漫画は現在人気のバレーボール漫画を読んでおり、それ以外の漫画はあまり読まないようだ。

好きな食べ物:たまごサンド、オムライス

幼少期、食が今よりも細く、体調を崩せば何も食事を受け付けられなかったのだが、口当たりの優しいたまごのサンドウィッチは、かろうじて食べることができた。 食べることで、親や看護師に褒められ、嬉しかったことがきっかけで、たまごサンドが好物となったというエピソードがある。 オムライスも好物なのだが、ぽっちゃり気味のひなたのダイエットのために、食卓に出る頻度が少なく、ちょっとだけ残念に思っている。

苦手な食べ物:お粥

亜梨明と同じく、術後や塩分制限などで味の無いお粥を食べさせられたことにより、白粥や重湯が苦手。 玉子粥と味噌雑炊なら食べられる。 小さい頃は風麻以上に好き嫌いの激しい子供だったが、根治手術後、体重を増やすために飲まされ続けた栄養ドリンクがあまりにマズかったらしく、普通の食事が取れるようになった時、今まで苦手だったものがほぼ美味しく感じるようになったのだとか…。

好きな教科:数学、理科

理数系だけでなく、勉強自体が好きなため、どの教科にも苦手意識は無い。 緑依風に続いて学年二位の成績を修めている。

苦手な教科:特になし

苦手意識は無いものの、テストなどでは国語がやや他のテストよりも点数が低いことを気にしている。

将来の夢:医者

自分の病気を治してくれた高城先生に憧れて、将来は心臓の病気専門の外科医になり、自身と同じ病で苦しむ子供を救いたいと願っている。 物語開始時点で、このことを知っているのは高城先生と、それを隣で聞いていた爽太の家族のみ。 爽太の中で、高城先生の存在はとても大きく、宣言して叶えられなかったことを考えると恥ずかしいので、この夢は親友の直希にすら秘密にしている。

ショートエピソード

根治手術について

本来は、ある程度大きくなった時に行うのが望ましい手術なのだが、爽太は九歳の時に投薬治療の限界を迎えてしまい、予後不良となった。 そこに、新しい治療法を編み出し、小さな子供も救っていると有名になった高城先生に、主治医と両親が治療を依頼し、現在に至る。 ただし、この手術を受けた患者全員が生存しているわけではなく、全体の三割の患者は、拒絶反応や再発により亡くなっている。 それを防ぐために、爽太は現在も投薬と定期検査を続けており、完全に健常者と同じというわけではない。

穏やかな少年の意外な過去…?

優しく聡明な少年として、周囲に知られる爽太だが、実は幼い頃は院内の問題児として、有名だった過去を持っている。 それは、辛い治療と突然できた妹の存在にストレスが溜まったことが大きく影響しており、苛立ちを同室の子供にぶつけたり、両親や看護師を困らせて気を引こうとするなど、とても現在の姿からは想像できないものだった。 今はその過去を恥じており、母の唯にその話題をいじられることに困っている。

亜梨明への感情

自分を孤独や病から救ってくれた、直希と高城先生に憧れる爽太は、病気を克服した日から、いつか自分も誰かにとっての二人になりたいと思っていた。 そんな時、過去の自分に似た境遇の亜梨明と出会う。 彼女を支えることにより、憧れの二人になれるかもと思い始めた爽太は、亜梨明に友達の枠を超えるような接し方で、サポートをし続ける。 もちろん、純粋に亜梨明を助けたい気持ちはあり、彼女の心の痛みも理解し、上辺ではなく、本心から励ましているが、その行動を危惧している直希からは、亜梨明への手助けを控えるよう、忠告されている。

弱い自分を捨て去りたい①

常に完璧であり続けたいと願う爽太。 その想いは、病弱で無力な自分の過去を恥じて、無かったことにしたい思いからだった。 その過去を振り切るが如く、己に厳しい姿勢を崩さなかったが、元々丈夫でない体を酷使したことで、自主練中に倒れてしまう。 その日から、心の奥底に眠っていたトラウマや劣等感が、毎晩夢となって蘇るようになり、睡眠時間を削ることで、悪夢を見ぬよう心がけた爽太だったが、今度はその睡眠不足の影響が体にも出始め、病気の再発や拒絶反応の恐れに、ますます拍車がかかることになる。

弱い自分を捨て去りたい②

人を頼ることは、自分の弱さの証明に繋がると考え、そのことを誰にも言うまいと思っていた爽太だったが、命の恩人で、尊敬する高城先生と再会したことにより、抱えきれなかったこれまでの恐怖心や不安を、涙ながらにすべて打ち明ける。 高城先生は、爽太に例え再発したとしても、必ず再び治すことを宣言し、爽太はそのことに安堵し、ようやく眠ることが出来た。

弱い自分を捨て去りたい③

翌日、亜梨明と病院で遭遇した爽太は、亜梨明を病院の外にある『祈りの石』へと連れて行く。 そこで爽太は、これまで家族と高城先生以外に話さなかった、医者になりたいという夢を亜梨明に語る。 亜梨明がその夢を聞いて、自分を心から応援してくれること。そして、これまで生きることに後ろ向きだった亜梨明が、必ず病気を治すと告げてくれたことで、爽太は今までの苦しみからひとつ、報われることになるのだった。

ヒーローになりたかった少年は…①

自分を救ってくれた直希や高城先生のようなヒーローになりたいと願う爽太は、同じ境遇の亜梨明に、自分が彼らにしてもらって嬉しかったことをすることで、憧れに近付こうとする危うい部分があった。   風麻や直希には、亜梨明に対する接し方について度々注意されていたものの、彼女の好意に全く気付かない爽太は、それが何故なのか理解できないまま友達以上の親密な距離感で亜梨明のサポートを続けた。   ようやく気付くことができたのは、バレンタインの日に、亜梨明本人の口から好きだと告げられた時。

ヒーローになりたかった少年は…②

無意識に思わせぶりな振る舞いをしてしまいがちな爽太は、亜梨明もこれまで自分に好意を寄せてきた女の子と同じ気持ちでいたことに驚きながらも、正直に伝えてくれた彼女の言葉に嘘をつくことの方が失礼と判断し、告白を断った。   自分がしてきた行いを悔いながらも、今まで通り、亜梨明との友情を続けていきたいと願う爽太だったが、爽太にフラれて傷付いた亜梨明に背を向けられ、大事な姉の心を弄んだと怒りを露にする奏音には「最低最悪の悪者」とまで言われてしまう……。  

友情の奥の奥には――①

亜梨明との溝が深まる中、二年生に進級するとクラスまで離れ離れになってしまい、ますます彼女と接する機会が減ったしまった爽太。   奏音の怒りに触れ、自ら亜梨明達と距離を置いていた爽太だったが、今まで自分がいたはずの亜梨明の隣に風麻がいる光景を目にし、嫉妬心が芽生え始める。   爽太は、緑依風からの助言を受け、自分が気付かぬうちに、彼女に恋をしていたと知るが、それを自覚したことで、風麻も亜梨明が好きだということや、そんな彼の気持ちも踏みにじっていたことにも気付き、罪悪感に苛まれる。

友情の奥の奥には――②

もうこれ以上、大事な人達を傷付けたくない――……。   爽太は緑依風から、亜梨明が今も自分を好きでい続けていると聞かされても、彼女への恋心は封印し、身を引くつもりだった。   しかし、それを知った風麻から、亜梨明の気持ちを知っていながら、奏音や風麻を言い訳にして逃げるなと叱咤され、壊れてしまった友情を修復するため、泣き続ける亜梨明にもう一度笑顔を取り戻すために「頼んだぞ!」と託されることで、自分と亜梨明の気持ちに向き合うことを決意。

友情の奥の奥には――③

風麻や緑依風達の協力も得て、無事に奏音とも仲直りし、亜梨明にひと月遅れのホワイトデーの贈り物を届けに向かうのだった。

僕と一緒に生きて欲しい…!①

亜梨明の家に訪れ、彼女と仲直りをすることができた爽太。 彼は、この日体調不良で欠席していた亜梨明に、「学校に来られるようになったら、話したいことがある」と告げ、亜梨明も明日には学校に行くことを約束し、二人は出会ったばかりの頃のように、指切りを交わす。 指に残る互いの感触、体温の名残りに幸せを感じていた爽太と亜梨明だが、その数時間後、亜梨明は心不全を起こし、昏睡状態になってしまう。

僕と一緒に生きて欲しい…!②

翌日、亜梨明に「好き」と伝えるつもりでいた爽太は、担任の波多野先生から聞かされた亜梨明の危機に愕然としながらも、この時はまだ、彼女の回復を信じていた。 しかし、後日奏音が語ったのは、亜梨明の現状が厳しすぎて、予定していた手術は不可、このまま死を待つのみと医者に告げられたことだった。 「亜梨明のために何もできなかった」と、己の無力さを嘆く爽太だったが、そこに風麻がやってきて、かつて自分の命を救った名医――高城医師に亜梨明の治療を依頼するように説得される。

僕と一緒に生きて欲しい…!③

数日後、爽太の元に高城先生からの電話が入る。 先生から、既に亜梨明の担当医から治療の相談が来ていたこと、依頼を引き受けてくれることを聞き、安心した爽太――が、今度は奏音から亜梨明が病室を抜け出し、行方不明になってしまったと連絡が入る。 病院中を探しても見つからない。次に大きな発作が起これば、今度こそ死んでしまうかもしれないと、奏音に亜梨明の捜索の協力を要請された爽太は、夜の道に飛び出し、亜梨明を探す。

僕と一緒に生きて欲しい…!④

風麻や星華と合流し、一度病院に集まることにした爽太は、奏音の腕の中にある亜梨明の遺言が記されたノートを目にし、晶子の言葉から亜梨明の居場所を突き止める。 そこは、病院の敷地内の小さな丘の上――かつて、爽太が将来の夢を語った、『祈りの石』の前だった。 いつ急変してもおかしくない状態の亜梨明を、なんとか病院に連れ戻そうとする爽太だが、彼女は自分の現状を悲観し、すでに生きることを諦めていた。

僕と一緒に生きて欲しい…!⑤

彼女にとって、自分の存在がどれほど大きかったのかと改めて知った爽太は涙を零し、亜梨明に「生きてほしい」「大人になって、夢を叶えた自分を隣で見てほしい」と語った後、遂にあの日叶わなかった約束を、想いを告げる――。 「今更でごめん!あんな思いさせて、ごめんっ……!!だけどっ――聞いて欲しい!!」 「――君が、好きだから……失いたくないっ……!!」 「お願いっ、だから……っ、死ぬなんて、言わないで……っ!」

僕と一緒に生きて欲しい…!⑥

亜梨明を強く抱き締め、小さな子供のように声を上げて泣きながら、亜梨明に死なないで欲しいと懇願する爽太。 そんな彼の声が、亜梨明が一度心の奥に封印した本当の気持ちを、再び蘇らせる。 「私も……まだ死にたくないっ……!」 「本当は、死にたくないよ……!爽ちゃんと一緒に生きたいっ!ずっと一緒にいたいよぉ……!」 ようやく想いが通じ合った爽太と亜梨明。 互いに泣き腫らした顔を見つめ合った後、爽太はもう一度亜梨明を優しく抱き締めるのだった。

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