名前

加藤孝文(かとうたかふみ)

俺は、姉貴のことが大好きだった。

キャッチフレーズ

二つの顔を持つ少年

名言

俺は、姉貴のことが大好きだった。

紹介文

緑依風達と同じ二年三組の生徒で、夏城小学校出身。緑依風と星華とは小1の頃同じクラスだった。 普段は真面目で派手さは無くとも、気さくな性格で、その場の雰囲気に合わせて友達とふざけ合ったりもできる、空気の読める少年。 しかし、何故か奏音にだけは冷たく素っ気ない態度で、視線すら合わせない。 家族は両親の他に、六歳離れた姉がいたが…?

レーダーチャート
項目名 ポイント

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パーソナルデータ

性別:男

誕生日:8月15日

血液型:B型

クラス:一年一組→二年三組

小学校時代は風麻と同じクラスになったことがなかったが、中学で一緒に。 爽太も交えて、クラスの他の男子複数と共におしゃべりしたり、遊ぶこともあった。

部活:バスケットボール部

ポジションはスモールフォワード。 小学生時代からバスケのチームに入っていた。

家族構成:父、母、姉(綾)

現在は両親と三人暮らし。 姉の綾は、加藤が小学一年生の頃に転落事故で亡くなっている。 少し気が短いが、明るく面倒見の良い少女で、年の離れた弟をとても可愛がっていた。

外見的特徴

身長:157cm(一年)166cm(二年)

BMI:17.5(一年)19(二年)

内面的特徴

一人称:俺

趣味:音楽鑑賞、映画鑑賞、将棋

映画は洋画が好きで、最近は吹替より字幕派。 数年前から、父の趣味である将棋を教えられ、休日は親子で指し合うことも。 ちなみに父の兄(叔父)は将棋のプロ棋士である。

好きな食べ物:魚の西京焼き、焼き鳥のねぎま

焼き鳥は塩派。

苦手な食べ物:チーズ、牛肉の脂身、キャラメル

かろうじてピザは食べられるが、ファストフード店でよく使われるチェダーチーズなどの、匂いが強いものが苦手。 キャラメルは好きだったがとある理由により、今は食べられない。

好きな教科:英語、社会、国語

英語に関しては、もっと日常会話に役立つものを学びたいと思う程、勉強意欲が高い。

苦手な教科:数学

将来の夢:海外で働きたい

特にこの職業に就きたいとまでは決まっていないが、欧米諸国の文化や暮らしに憧れている。

ショートエピソード

二つの顔①

クラスメイトに彼の人物像を聞けば、きっとこう言うだろう。『いい人』『明るく親しみやすい』『やんちゃではないけど、固すぎず、友達と一緒にふざけ合うことも出来る』 加藤孝文は、どこにでもいる普通の中学生男子だった。 しかし、奏音を相手にする時だけ、彼は他の人間と態度を一変させる。 視線を合わさない。話しかけられても無視、ほんの少し触れただけで不快感を露わにする。 これまでも、なんとなく嫌われているような気がしていた奏音だが、ある昼下がり、本屋で彼が通る道を塞いでしまったことにより、それは確実となる。

二つの顔②

彼の態度に堪忍袋の緒が切れた奏音は、亜梨明や遊びに来ていた爽太にその事を伝えるが、彼らもやはり、人当たりの良い加藤の顔しか知らず、意外という反応をした。 翌日。昼休みに廊下で加藤と遭遇した奏音は、「嫌っているならその理由を知りたい」と、何故自分にだけ冷たい態度を取るのか加藤に問い詰める。 しかし、彼は奏音が悪いわけではなく、自分が一方的に嫌っているだけと言い、逃げようとした。 それを捕まえるため、奏音は階段を下り始めた加藤に腕を伸ばす。

二つの顔③

――と同時に、上の階からふざけながら階段を駆け下りてきた一年生と接触し、奏音はバランスを崩してしまう。 踏ん張ろうとしていた軸足が浮かび、落ちる瞬間、加藤は奏音に向かって何故か「姉ちゃん」と呼び、奏音の落下を防ごうとしたが、間に合わず、彼女は踊り場まで落ちてしまった。 足を負傷し、動けなくなってしまった奏音。 流石の加藤も、いくら嫌いな人間といえど、困っているこの状況を放置せず、奏音を背負い、保健室へと運ぶ。

二つの顔④

そこから更に一日が過ぎ、奏音から前日に助けてもらったお礼と、嫌な記憶を思い出させたと謝罪を受ける。 加藤は、奏音が己の過去を知ったのだと悟ると、何故自分が彼女を嫌うのか説明することにした。 実は、加藤には六歳年の離れた姉がいたのだが、エスカレーターの転落事故で亡くなってしまい、彼は今もその出来事がトラウマとなっていた。 加藤の姉、綾は顔こそ似ていないが、性格や立ち振る舞いが奏音ととてもよく似ていて、その姿を見ていることが辛いのだ。

二つの顔⑤

加藤は、全てを語った後、事故の日と姉のことを思い出したくない。だからもう関わらないで欲しいと奏音に懇願する。 それを聞いた奏音は、「私はあんたのお姉さんじゃないし、一緒にされても迷惑」「一番腹が立ったのは、お姉さんを『大好き』って言っておきながら、お姉さんの存在ごと忘れようとしてること」だと告げ、もう関わらないことを約束して去っていった。

事故の日①

七年前の八月。加藤は両親と姉の綾と共に父の実家に帰省し、親戚一同で大型ショッピングセンターに買い物に来ていた。 加藤にとって、綾は怒ると怖いけど、年の離れた弟の自分を可愛がってくれる大好きな姉で、いつも姉にべったりだった。 そんな彼は、エスカレーターが苦手だった。 乗るタイミングが小学一年生になっても上手く掴めず、以前乗ろうとして転んだり、サンダルを隙間に挟みかけて怖い思いをしたからだ。

事故の日②

綾は、この日も一人で乗れない弟の補助をし、乗り換えた後、空腹を訴える弟のために、鞄に入れていたキャラメルを与え、包み紙をしまおうとした。 しかしその直後に、後列の女性が荷物をうっかり落としてしまい、それが綾に直撃する。 綾は荷物と共に一番下まで落下し、固い床に投げ出され、すぐに救急搬送されたのだが、頭の打ち所が悪く、帰らぬ人となってしまう。

事故の日③

加藤は、安置された姉の遺体の前で、あの時自分が一人で乗れていれば、二列に並ばず、荷物にも当たらなかったかもしれない。 せめて、お腹が空いたと言わなければ、手すりに掴まったままで、落下せずにすんだかもしれない。 姉が死んだのは、自分のせいだと責めるようになり、それ以降綾に関するものを目にしたり、聞いたりすれば、パニックを起こしてしまうようになってしまった。 そこから数年経った今も、彼はトラウマを抱え続け、思い出すと体に支障をきたすほど、深く傷付いた状態だった。

事故の日④

だが、奏音にカミングアウトしたその日の夕方、夢の中で姉の声を聞き、やっぱり姉のことを忘れたくないと思うようになる。 そして、今まで避け続けていた奏音の元へ赴き、これまでの失礼な態度の謝罪をし、トラウマを乗り越えるために協力して欲しいと申し出る。

前へ進む

奏音と和解した加藤は、今までずっと避け続けていた過去と向き合うため、彼女の協力の元、初めて姉の墓参りへと向かう。 彼の心の傷は深く、すぐに克服することは難しいだろう。 しかし、それでも加藤は大好きだった姉を。笑って過ごした楽しき日々を思い出し、懐かしめるようになるため、あの日からようやく一歩踏み出すことができた。 「――今はまだ、こんなんだけど……俺、強くなるから……」 愛しい弟の決意は、きっと天国の綾にも届いているはずだ。

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