幽塔の飼い鳥

ハヤブサ

彼は常に一点を見ている。 沈殿せぬ闇。湧く炎の吐息。 澱を燃え上がらせることはたやすいが、言葉を紡ぐには不慣れ。 常夜の街の路地で、かつての巣を見上げている。 幽塔より逃れた飼い鳥は、目的を果たすまで囚われたまま。

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