シャムハルト・ロルカ

ロルカ帝国の若き皇帝。フルネームはシャムハルト・トレンシア・ディ・ロルカ、愛称はシャム。先王である父の死後、何も知らぬまま、重臣達に帝国の顔として利用されていた。自身の心の弱さに思い悩みながらも、純粋無垢で好奇心旺盛、仲間思いな性格の少年。ヴェルセリノーに憧れ、彼を慕っている。
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概略

シャムハルト・トレンシア・ディ・ロルカ 所属:ロルカ帝国 皇帝 性別:男性 年齢:20歳 身長:175cm 誕生日:1/9 出身地:ロルカ帝国 家族構成:父、母(両方故人) 適合レベル:レベルⅢ 属性:闇 好物:ステーキ、スパークリングワイン 趣味:絵画、空を眺め色々な想像をして楽しむ 苦手:命令、支配 先王である父の死後、何も知らぬまま重臣達に帝国の顔として利用されていた若き皇帝。 親しい者からはシャムという愛称で呼ばれる愛嬌溢れる青年で、高い能力を秘めた魔導士である。

容姿

光を受けてきらきらと輝き尻のあたりまで伸びる白銀の髪とターコイズブルーの垂れ目、褐色肌が特徴。あどけなさと無垢さを残しながらも凛々しい顔立ち、細く引き締まった体型をしており、相応の言動や仕草をしていれば皇帝らしい威厳と風格が放たれるが、普段は表情豊かでリアクションも大袈裟、子供のように無邪気で活発である。 ロルカ帝国の特に上流階級においては、服装や装飾品に男女の区別があまりないという特色がある。無論全員という訳ではないが、男性であっても髪を伸ばしドレスのようにも見える女性的な衣装に身を包んでいたり、女性であっても燕尾服など男性的な衣装やステッキなどを好んで愛用していたりといった光景が日常的に見られる。皇族や貴族という身分制度が存在しながらも実力主義的な側面が強い帝国ならではの、自由な豊かさの象徴とも言える。歴代の皇族も伝統として、エキゾチックで華美な衣装と装飾品を愛用してきた。さすがに男性がミニ丈のスカートを穿いたりはしないので安心して欲しい。 “福音の旅”出立に伴いシャムハルトが選んだのは踊り子風の、本人曰く動きやすさを意識した装束。透け素材の布が付いた王冠を被り、リングに三つのダイヤ型の飾りが連なったピアスを両耳に付け、首飾りや丈の短いトップス、七分丈のズボン、グラディエーターサンダル以外に身を覆うものはなく、背中側はトップスを括りつける紐以外には装備が一切ないなど全体的にかなり露出が多い。二の腕を彩る輪と手首の輪はふんわりとした軽い素材の布で繋がっており、動き回る事でくるりくるりと空中を舞う。 適合レベルは腹の右前面に刻印されている。

性格

自身の心の弱さに思い悩みながらも、純粋無垢で好奇心旺盛、仲間思いな性格の少年。相手の身分や過去、それを助ける事によって自身が被るであろう不利益などを一切顧みずに、躊躇いなく他者に手を差し伸べる優しさと勇敢さを持っている。それを甘さだと切り捨ててしまえばそれまでであるし、皇帝という身分においてはやがて己を滅ぼす要因にもなりかねないが、誰かれ構わず太陽の如く強烈な輝きで導く事が出来てしまうのは、シャムハルトの持つ一種の才能であり美徳である。 他者の悩みや苦しみに親身に耳を傾けて寄り添い、力になろうと具体的に思案を重ね、必要に応じて他者の協力を仰ぎ、実際にそれを行動に移すというのは簡単なようでなかなか難しい。生まれながらの皇帝でありながらそれをごく自然に行い、かつ継続する事が出来る存在は案外稀有かもしれない。事実、帝国内にはヴェルセリノー以外にも、純粋にシャムハルトを慕い忠誠を誓う臣下や民が少なからずいる。また、彼の容姿や性格、愛嬌溢れる仕草や表情に魅了され、アイドル的に崇拝する者もいるという。 何も知らずただ重臣達に言われるがまま権限を振るってきた事、それによって自らが慕うヴェルセリノーをはじめとする多くの人々に苦痛と悲哀を背負わせてきた事を深く悔いており、そのせいで自身の決断や行動にすら自信が持てず、過剰に懐疑的になってしまっている。帝国を自由で明るい国に変えたいという穢れなき願い、強い信念を抱いているにも関わらず、胸を張ってそれを表に出す事が出来ずにいるのだ。 一度決意を固めて振り切ってしまえば、大国の長に相応しい力強さと統率力を発揮し、的確な決断と指示、緻密な計算と観察眼によって練り上げられた策で大局を見極め、不安など抱く隙も与えず皆を率いる。 単に自信の無さというストッパーが掛かってしまっているだけで、元来頭脳や運動神経、器用さなどあらゆる観点において高い能力を持っている才能の塊であり、地位に慢心せず努力をしたり反省して改めたりする事も出来るハイスペックスーパーエリートなのだ。 ただし身分に縛られないという自由さにおいて、時に仲間を守る為に自分の身を投げ出したり、ろくに変装もせず城下を不用心にふらふらしていたりという点については、改善の余地があるのかもしれない。

戦闘能力

体格に不釣り合いな人間離れした運動能力を誇り、パワー、スピード、瞬発力や跳躍力、第六感などにおいても戦闘民族や獣さながらに、何にも縛られない俊敏かつ躍動感溢れる動きを可能としている。前線での戦闘経験が浅い為テクニック面においては今後の進化に期待といったところであるが、魔力量や制御技術においても生来高い能力を持っており、心の弱さを克服出来れば最強の魔導士にもなれるかもしれないと言われる程の才を秘めている。 その筋力を活かして大剣すら軽々と操ってしまうが、これはむしろ自身の力を抑える為に使用しているもので、本来は武器を用いず己の肉体のみを駆使して戦う武闘派である。 強く疎んでいる為に極力使用を避けようとするが、触れた対象を消滅させるという強大な闇の力を生まれ持っており、これはいかなる治癒術や解呪を以てしても遅延すら儘ならない、不可逆の呪いである。その気になれば、周囲一帯を精気の欠片もないクレーターに変えてしまう事も出来る。この強大な力を持っていたが為に重臣達に生かされ利用され、そして自分自身の存在を恐れ疎んじる事となった。 ヴェルセリノーに憧れており、彼のような美しい戦い方が出来るようになりたいと思っている。無論誰も戦わずに平和を得る事が出来るのならばそれに越した事はないが。生まれ持った闇の力とは対照的に、澄みきった心で常に誰かを助けたい、守りたい、笑顔にしたいと願っている。

経歴

生まれながらに皇帝となるべく、過酷とも言える重圧の中で強く抑圧されて育った。母が出産後まもなく死亡したせいもあってか、父王は一人息子であるシャムハルトに冷たく当たり、一部の臣下がこっそり優しい言葉をかけてくれる時以外は、身内である筈の臣下や軍、侍女にすら余所余所しい態度で対応され続けた。しかしシャムハルトは健気に勉学や稽古に励み、必死に涙を堪えて、我儘を言ったり甘えたりしたいのを我慢して精進した。もっと立派な皇子として成果を上げる事が出来れば、父の心の傷も少しは癒えるかもしれない、よくやった、それでこそ我らが子だと褒めてくれるかもしれない。淡い期待を抱いて、一心不乱に父の背を追い掛けた。 何も知らない幼い皇子を巧みに騙して進軍の許可をもぎ取った重臣が、独断でハルシュトルム王国への侵略を開始。心身共に追い詰められ体調を崩しがちだった父王や、代務などに奔走していた善良な臣下達の耳に入るのが遅れた事で、そのまま王国が滅び、捕虜が連れられてくる事態となってしまった。真実など知らぬ父王は軽率な決断による損害と不利益を叫び、我が子を大声で罵り、その小さな頬を張り飛ばした。自分を騙した重臣達は父王がその場から去った後で、抜け殻のようなぞっとする笑みを浮かべて皇子を支え起こし、猫撫で声で励ましの言葉をかけた。きっといつか理解して頂ける日が来ますよ、と心にもない事をつらつらと口にする。しかしハルシュトルム王国に対して犯した罪の大きさが両肩に圧し掛かり、沈痛な面持ちで連行されていく彼らの表情が目に焼き付いて離れなかったシャムハルトは、生まれて初めての反抗計画を密かに練り始める。 ハルシュトルム王国民達の逃亡幇助に成功し、自身も上手く隠れつつ寝所に戻ったシャムハルトは、今度こそ父ときちんと話そうと決意する。びくびくと怯えるのではなく、堂々と腹を割って意志を伝えれば、分かり合えるかもしれない。長年たった一人で抱え続けたであろう苦しみを吐露し、王たる器を得る為の道標を授けてくれるかもしれない。しかしその願いが叶う事はなかった。謎の死を遂げた父王の後を継ぎ、シャムハルトは10代という若さで皇帝として君臨する事となった。 しかし、自身は王の器ではないと考え自信を持てず、重臣達に言われるがまま判断を下す日々を送る。人間味がなく恐ろしい重臣達に、どうにも抗う事が出来ない。振り絞ろうとした勇気も容易く断ち切られてしまう。自身の無知と愚かさに気付きながらも、傀儡のように操られる事しか出来なかった。そんな暗い期間の中での唯一の光は、臣下に連れられてきたヴェルセリノーとの出会いと交流。彼と語り合った夢の為、いつまでも足踏みしている訳にはいかなかった。 そんな中で起こった、アウィス・イグネアを巻き込んだ騒動。敬愛するヴェルセリノーの危機と献身を目の当たりにし、改めて自身の未熟さに気付き変革を決意したシャムハルトは、自身を変える為、強くなり帝国を正しい方向へ導く為、“福音の旅”同行を志願する。

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